『どうぶつの森』シリーズのたぬき社長は悪徳が栄えまくったオヤジであると言われがちです。まあ、わからないでもありません。「知らぬ間に借金背負わされてたー!?しかも複数だし!」あるあるなご意見です。だが待ってほしい。それは本当に借金と言えるんでしょうか?
悪徳金貸しの定番といえば10日で1割ずつ利息が膨らむやつですね。首をくくるしかありません。これには同時に2つの条件がついております。
・利息がある
・期限がある
首をくくらにゃならんようになるのは、取立てが苛烈であり、かつ、時間が経過するほど返すに返せないスピードで借金が増えて行く場合です。しかしながら私、たぬき社長から利息取られたこともなけりゃ、今すぐ耳を揃えて返しやがれと凄まれたこともありません。できないんなら内臓売れだのマグロ漁船乗れだのも言われたことないんですよ。皆さんはありますか?ないんじゃありませんか。
また、奴のおカネの正体は葉っぱに過ぎない、お子さんがお店屋さんゴッコに使うこども銀行券と何が違うのか、化かされてるだけじゃねえか!というご意見もあるあるです。
しかしこれも通貨とは結局何かを知っていれば出てこないご意見ですよね。モノは何でも構わないけどおカネとして信用されているものが通貨たりえるのであり、事実たぬきの葉っぱでお買い物が出来ている以上、それは通貨に違いないのですなあ。皆さんだって何とかペイに貯まってくるポイントやらで支払いがちな人生な昨今と思われますが、それ元は何だったですか。お買い上げ時にお値段の何%だか付いてきて後から現金同様に使える何かを使用しているわけですけど、実体なんぞなくても通貨として通用しています。たぬきの葉っぱなんかモノがあるぶんは高級と言えるんじゃありませんか。そもそもゲーム内通貨なんてただの電子データなんですけどね。
ということで、たぬき社長は無罪です。むしろ聖人(あの世界ではどうぶつさん達はヒューマン扱いなので須くヒトとして扱うべきでしょう)と言って宜しいでしょう。考えてみていただきたい。利息もなしに大金どーんと投資してくれるような人、そんじょそこらにおられます?親などの身内ならあるかも知れませんが、今風に言えば親ガチャに外れちゃったら望みなしなのが現実です。
たぬき社長を悪く言う人は後を絶ちませんが、私は言いませんよ。んで貸してくれたもんは返さずに再投資を続けるのが資本主義社会における正義なのは明白です。
失敗して無一文になっちゃったら?もう1回借りて最初から稼ぎ始めればいいんです。たぬき社長なら貸してくれます。もともとそこらに落ちてる葉っぱですから。
んでもって、稼いでるうちに気付くことですが、最終的にはおカネは溢れてきて使い途なくなるんですよ。ゲームシステム的にはエンドコンテンツ不足ということで問題視されるところですが、現実におけるおカネというもののあるべき使われ方を明確にする点では意義のあることでしょう。
ゲームシステム上は存在しませんが、借金から始まったプレイヤーなら気付くべきです。死蔵するくらいならそのおカネ、どなたかに貸してあげたらいいんじゃないでしょうか。たぬき社長が貸してくれる理由もこれでわかりました。彼もそれを死蔵するのは勿体ないと思ったんです。
てな境地に至るまで行けたらいいですね、というゲームだと私は理解しておりますが、言うて作業ゲーなので、万人におすすめできるとまでは申し上げられないのが痛し痒しでございます。私は作業は苦にならないのでまだまだやるよ笑。
ていうかですね、返さなくていいんなら、たぬき社長も最初から「あげるよ返さなくていいよ」言えばいんじゃないのという意見は当然出そうなので一応言っておくと、それじゃプレイヤーが作業に邁進する目的がなくなってしまうんです。おカネ返さなきゃと思うから遊び暮らしたりせずに稼ぐのだ、というこれまた真理をたぬき社長はご存じゆえに、あえて借金と言っているんだね。やってるうちに作業好きに気付いたり貯金の楽しさに目覚めたりすれば続けるモチベーションになるし、稼がれたおカネがまた誰かに投資されることになるんだしね。
こういうのを本物のたぬきオヤジと呼ぶわけですなあ。私、そのようなオヤジを常時募集中ですので笑、いつでも借金させに来ていただきとうございますです。トイチはお断り。