ネタバレだって言ってるからね。
オロカメンが「センソーヲヤメロ オロカモノメ!」と言うとき、「喧嘩や訴訟があれば行って、くだらないからやめろ」と言うのではない。彼は「力なき正義は無意味だ」主義者であって、ドンパチで負ける側の者に対して「大義があったとしても負けると分かっている喧嘩をする奴は愚か者だ」と説いているのであるね。
そんなのは分かっていてもデロリンマンは正義を行い「それでも私は人を信じる」と言うのだ。オロカメンが徹底的なルッキズムをもってデロリンマンの外見を「醜い」と断じるのは、デロリンマンとは外見の他は全てが美しい存在であるのだと断言しているに等しい。その上でオロカメンは「美しければそれでいいのか」と問うのである。
が、当のオロカメンはといえば、鉄砲やら戦車やら爆撃機やらを持ち出してきてデロリンマンを殺害するなどの蛮行はしないのであった。彼もまた美しい存在であるのだ。度し難いね。
まあね、それ以上を追及しようとするなら勢いドンパチやら暴力装置やらに突っ込んでいかざるを得ず、真性の度し難い(昨今の情勢を鑑み、またレグ君を見習って決して定番の枕詞を付けずにこの単語を運用するわけですが笑)皆様は「そんな野蛮なもの見せてくるな聞かせてくるな言わせるな!あーあーキコエナーイ」を決め込むのよなあ。現実に人が死ぬわけでもないんだから、フィクションくらいは見ておいたらいんじゃないのかと。いざ直面した時グダグダになりそう。私は生物学的に女性ですが、それだけいっそう度し難い経験は多うございますのでして。
『少年時代』初めて見たけど、平成の小学生男子はこんなフィジカル体験してねえわなあと思うと共に、令和の男児達は体験せずに済まされないのかもなあとも思いました。藤子不二雄A先生のご冥福をお祈り致します。